国立大学法人山梨大学 大学院総合研究部
教授
Yamanashi University
Professor
1983年 北海道大学理Ⅱ系 入学
1987年 北海道大学獣医学部 卒
1989年 北海道大学大学院獣医学研究科 修士課程 修了 (獣医師資格取得)
1992年 北海道大学大学院獣医学研究科 博士後期課程 修了
1992年 国立感染症研究所 リサーチレジデント
1993年 国立感染症研究所 研究員
1997年 Walter & Eliza Hall Institute, オーストラリア、ポスドク
1999年 国立感染症研究所 研究員・主任研究官
2000年 大阪大学微生物病研究所 助教授・准教授
2010年 山梨大学大学院総合研究部医学域基礎医学系 微生物学講座 教授
現在に至る
B型肝炎ウイルス(HBV)とC型肝炎ウイルス(HCV)は慢性肝炎や肝発がんの主な原因となっています。両ウイルスに対する抗ウイルス剤はあるもののウイルスゲノム残存・挿入や再感染、両ウイルスによる重複感染による重症化などの問題があり、B型肝炎とC型肝炎疾患の完全な克服に至っていません。
我々はこれまで、HCVおよびHBVの感染を許容する培養細胞系の確立やウイルス増殖機序の解析を行ってきました。しかしながら、これらウイルスのマウス・ラットの動物モデルは充分なものではありません。免疫が健常なHCVおよびHBVの感染動物モデルの開発が遅れ、その病原性発現機序の完全な解明に至っていません。近年多くのHCV近縁ウイルス(ヘパシウイルス)が各動物種において発見されています。げっ歯類のヘパシウイルスは六種報告され、国内の野鼠にも感染個体が存在していることを我々は確認しています。本研究ではヘパシウイルスによるC型肝炎げっ歯類サロゲートモデルを作製し、単独感染モデルおよびHBVとの重複感染モデルからその病原性解析を行い、ワクチン開発の可能性をさぐるとともに、次世代型の予防治療法開発につながるウイルス-宿主間相互作用ネットワークモデル開発を目指します。