坂根 亜由子Ayuko Sakane

坂根 亜由子Ayuko Sakane

国立大学法人徳島大学 大学院医歯薬学研究部
准教授
Tokushima University
Associate Professor

坂根 亜由子

略歴

平成11年4月〜15年3月 徳島大学医学部医学科入学〜4年次修了・退学
平成15年4月〜18年3月 徳島大学大学院医学研究科MD-PhDコース入学〜修了(医学博士取得)
平成18年4月〜20年3月 徳島大学医学部医学科5年次復学〜卒業(医師免許取得)
平成20年4月 徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部分子病態学分野 助教
平成27年4月 徳島大学大学院医歯薬学研究部医科学部門生化学分野 助教(組織改編のため所属名変更)
平成29年4月 徳島大学大学院医歯薬学研究部医科学部門生化学分野 准教授
平成31年3月 徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所医光融合研究部門 准教授(兼任)
(現在に至る)

研究内容

細胞内では、様々な分子が、小胞に乗って縦横無人に移動しています。輸送される分子は、ホルモンや神経伝達物質などの液性因子から受容体や細胞間接着分子などの膜貫通蛋白質など多岐に渡り、それらの分子は必要な時に必要な場所に運ばれて働きます。この細胞内小胞輸送は、個々の細胞機能だけではなく、神経・内分泌系、免疫系などの高次生命機能にとって必要不可欠なものです。その重要性から、James E. Rothman, Randy W. Schekman, Thomas C. Südhofの3名が、2013年に小胞輸送の研究でノーベル医学生理学賞を受賞しています。ウイルスが感染する際には、宿主細胞内に侵入し、細胞内の小胞輸送経路を利用して細胞外へと出ていきます。利用する経路は多様であり、ウイルスの種類によって、あるいは、同じウイルスであっても宿主細胞の種類によって異なることがあります。また、ウイルスの感染は、多くの場合、細胞膜表面での受容体との結合から始まります。受容体は、ウイルスがアクセスしやすい場所に存在する必要があります。さらに、感染のバリアとして機能している細胞間接着の減弱・破壊などが侵入のしやすさを決定する重要な要因ともなり得ます。受容体の細胞膜への局在や細胞間接着の形成はともに細胞内小胞輸送によって制御されています。したがって、ウイルスがどのような経路を利用して宿主細胞内を輸送されていくのか、あるいは、ウイルス感染に関わる分子群の機能が細胞内小胞輸送によってどのように制御されているのかを理解することは、非常に重要であり、ウイルス感染の予防や治療法の開発に繋がる大きな可能性を秘めています。本研究では、ウイルスの宿主細胞への侵入から細胞外への放出に至るライフサイクルに細胞内小胞輸送という視点で迫ります。

坂根 亜由子 研究内容
ウイルスが利用する細胞内小胞輸送