国立大学法人千葉大学 大学院医学研究院
教授
Chiba University
Professor
1998年 滋賀医科大学・大学院医学研究科修了(医学博士)。
愛知県がんセンター研究所・病理学第一部・研究員、米国・スクリプス研究所・博士研究員、愛知県がんセンター研究所・主任研究員を経て、2006年に産業技術総合研究所へ異動してPIとなる(主任研究員、研究チーム長、上級主任研究員)。産総研では、病理医・病理学者としての視点で、糖鎖やプラズマ研究、そして化合物半導体イメージングセンサーの開発に取り組んできた。2015年より、千葉大学・大学院医学研究院・腫瘍病理学(旧病理学第一講座)・教授、産総研・クロスアポイントメントフェローとして活動中。
写真:開発した1450nm波長域の近赤外イメージング装置とともに撮影。
本課題では、ウイルス感染の初期に生じる変化を対象に、「ナノスケール」から「ミリメートルスケール」で計測できる技術を開発して研究に用いて、網羅的・包括的な理解の実現をめざします。
ウイルス感染の初期に生じる組織の水分含有量の増加は、「ミリメートルスケール」で生じます。本課題では近赤外イメージングを最適化して、視認困難なウイルス感染に対する宿主応答の広がりを、造影剤等のプローブを使用せずに評価できるようにします。
ウイルス粒子の分布や間質基質の産生は、「ナノスケール」で変化します。本課題では、走査電子顕微鏡を使用した分子/元素イメージング技術を高度化・ハイスループット化することで、これらを効率よく捉えるようにします。
開発技術の利用可能性は、臓器特異的にウイルスタンパク質を発現させた遺伝子改変マウスモデルで評価します。このモデルは、薬剤投与によりウイルスタンパク質を膵臓もしくは心臓に特異的に発現させており、ウイルス感染の初期に生じる宿主応答を再現するものです。